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人生、いつだってこれから

アメリカ人なら誰もが知る国民的画家に、グランマ・モーゼスという女性がいる。

彼女が本格的に筆を握ったのは実に75歳の時。

しかもその理由が、リューマチのリハビリのためだったと言う。

絵を描き始めて3年後、ひとりのコレクターが彼女の絵に目をつけ、80歳で初めての個展を開くと画家としての彼女の存在は、アメリカだけではなく、世界に知られることになった。

そして、101歳で死去するまで約1600点の作品を残した。

日本では「100歳の詩人」柴田トヨさんが有名だが、彼女が初めて詩を書いたのが、なんと92歳のときだと言うから驚きだ。

自分自身も30代半ばの頃から「嗚呼、もう人生残り半分だな」と思うようになり、40代になると、親父が亡くなった年齢を思いながら「残りの人生あと○○年・・・」と指折り数えることが多くなった。

そして、あれもこれも出来ていない、行きたい場所も行きたい店も、読みたい本も山積みだ・・・と焦ってばかりという感じだし、時には「もうこのまま終焉に向かうのかな」と諦めのような気持ちになるときも正直ある。

タイトルの『人生、いつだってこれから。』は詩人・柴田トヨさんの言葉だが、本当に彼女たちのことを知ると、まだまだこれからいろんな可能性があるんだと未来が明るく思える。

そう、人生いつだってこれから、まだまだこれから。今から新しいことを始めたって全然いいのだという気持ちを忘れず生きていければこんな幸せなことはない。